●フロントパネル修理

 だんだんと錆や凹みが減ってきました。今回はフロントパネルの修理です。SJ10やSJ20の後期モデルではパネルの取り付け部が強化され、パネル構成を増やした表面の裏に強度の高いステーがスポット溶接されています。早い話がココが必ず腐ります。もちろん、両方とも・・・・・

 
 右側と左側です。水平面も垂直面も、裏には鉄板が貼られています。水平面は2枚構成、垂直面は3枚。相変わらずシーラーは皆無なので腐らない方がおかしいくらいで、ココが錆びていない後期型は奇跡です。防錆&シーラーを追加して大切にしてください!

 
 その他、上面には奇妙なクラックが数箇所。これは前垂れ部分をぶつけた証で、無理やりフロントパネルを装着する事になるのでストレスがかかって割れます。

 
 パネル構成。すこしでも錆が浮いてきたら「おまえはもう死んでいる」

 
 切開するとこのようになっています。フェンダーもそうですが、SJ10,20の定番ですね。表から何をしても無駄です。とにかく錆を徹底的に落として防錆しておきます。

 
 ぼろさびボンネットから鉄板を適当に切り出して、刃を丸めた自作カゲタガネを打ちます。板金台は愛用の防食した枕木。この硬さと柔軟性がミソです。 決めたラインに沿ってカゲを入れていくと、右のように折る事ができます。鋭角に折ってから、頂点にハンマーを入れて必要なRに調整します。色んなところをシバくと鉄板がベロベロになるので、鉄と話し合う必要があります。


 使っている道具はこの程度です。切除した腐食部分を左右作成しました。ここまでは30分くらいかかりますが、さらにこの先が長いです。

 
 微調整して切開部分にピッタリはまるようにします。重ね合わせると必ずソコから錆びてきますので、突合せです。下側が長い分は、微調整して接合した後に切ります。

 
 接合!自分からの皮膚移植なので相性が良い・・かどうかはわかりませんが、入熱が非常に少ないのはおわかりいただけるかと思います。

 
 ここまではパテを使わずに進めましたが、最終的な面出しで少量のパテを使う予定です。ビシッと直りました!


 その他、小さな錆を研磨してゆくとどんどん穴が開きますので・・・全て半田で埋めました。これに慣れているとパテで一々埋めるよりも早く、強度もバッチリで仕上げも綺麗なので止められなくなります。


●窓枠補修
 
 お次は窓枠に手を出したいと思います。ランプを取り付けていたらしい金具が、左右裏表にボルト貫通で、接着剤まで併用して取り付けられています。貴重な窓枠が・・・・・・・・・・

  
 錆び付いているので外すだけで面倒ですから、ナットを縦に割って外します。浸透潤滑剤も使わないので余計な油脂分をパネルに与えずに済みますし、仕事が速いです。火の粉でガラスを溶かさないように注意しましょう!

 その後に半田で埋めてゆきます。ついでに、その他のビス穴やアンテナの穴も埋めます。

 
 勿論、反対側も裏側もきちんと埋めます。こういった穴をパテのみで埋めると、後々後悔する事になります。かといって溶接ですと無駄に入熱することになるので、半田はベストな選択だと思います。

 
 若干、パテを入れましたが、元の状態に戻りました。裏側は穴がエッジにかかってしまっていたので若干苦労しましたが、こちらも綺麗に復元! 

  
 勿論、反対側も綺麗になっています。ついでにパリパリに硬化して貼り付いていた「CCV」のステッカーを除去し、傷を拾ってサフを入れました。こうなるのでステッカーは嫌いです。

 
 こちらは定番箇所ですが、程度は良い方ですね。形が残っているだけでも幸せです!見た目は大したことがなさそうですが・・・・・・剥いでいくとこんな感じです。適切に処理しないと再び錆が来ます。

 
 ここは普段目に入らないところなので、見た目よりも二度と錆びないように鉄板3枚重ねのところを薄皮一枚にしてインナーと接合してあります。ブラストで錆は完全に除去してあるので、かなりの安心感です。




 これにて窓枠補修も終了となりました。やはりスッピンの状態が最高ですね!

つづく・・・・・・



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