●各部の修正とフェンダー製作 さてさて、あちこちと修理する箇所の多いエイトですが、細かいところを順に修理してゆきます。 基本的に、悪さをしているのは上塗り(純正同色)時に補修された箇所です。SJ10,20のボディは元々波打っていたり、スポット跡が出ていたり、パネルの段差がガタガタだったり・・・と、普通ではありえない仕上げです。よって一般的板金補修ではそういった部分をパテで埋められる事が多く、浪打ちも大きいのでその量も膨大になります。2mm近くパテを盛るのは当たり前。フェンダーなどは平面にしようと思うと全パテです。 しかし、そういった仕上げを行えば行うほど、ボッテリとして不自然な姿になってしまいます。普通では理解できない世界ですね。JEEP等もそうですが、ボディ全体をパテでコーティングしてしまうような事は、総合的な寿命や路外走行のことを考えても避けたいものです。 そういったパテてんこ盛りの部分を、なるべくスッピンに戻しつつ、不要な箇所を切除してゆくのが今回のメニューです。リアまわりではスペアタイヤブラケットを切除しました。ブラケットは下地の上に溶接されているだけなので必ず錆びてくる部分です。ガードとしては有効かもしれませんが、錆びの温床となるので潔くカットします。カット後も適当な形状になっているので、ある程度修正しておきます。 並行して、FRPでフロントフェンダーを製作しました。タイヤハウスはフルストロークしても干渉しないように全て作り直し、路外走行で当たる部分も綺麗に処理しています。通常、垂れ目ボディはストレートフェンダーにすると何かおかしい姿になってしまいます。特に横から見るとフェンダーが下がるデザインが無くなってしまい、タイヤより前がスカスカで間抜けになってしまいます。ストレートフェンダーが美しいのはタイヤがフェンダーよりも前にでてこそのものです。 今回はデザインを決めるのにかなりの時間を費やしました。戦闘機のようなイメージで、デザインの破綻をなるべく最小限に食い止めることがテーマです。一応、そちら系の学校で勉強してきましたので腕の見せ所でもあります。 どうでしょう。個人的には上手くまとまったと思います。そしてこのフェンダー、原型から雌型を起こしていますので、量産可能です。重量は非常に軽く、フロントの動きが激変しました。バンプをトンッと乗り越える感触が体感できます。そして地形への干渉の心配がかなり軽減されますので、走らせていても大変楽です。何よりも、二度と錆びないのが良いですね!もし、同じものが欲しいという方がおられましたらBBSからでもご連絡ください。有料にて製作します。多分誰もほしがらないと思いますが・・・・・・ おまけ。自分のエイトにも装着してテストしました。ナローボディ用にデザインしているので、私のワイドな車体には似合いませんね。 さあ、今度は錆穴を埋めてゆくことにしましょう! 先ずはリアフェンダー後ろのこの部分。以前に修理されているようですが不気味に錆びて穴が・・・・・・ここは突合せで切り継ぎます。PORを塗ろうがエスコを塗ろうが、錆びは消えません。今まで色々と試した結果です。最終的にはこれがベストな方法ですね。 すかさずプライマーを塗布しておきます。パテはごく薄付けで面が出ます。 お次は荷台です。縁が錆びて穴が30個くらいあります。しかし形が残っているだけで幸せです。 ここも穴を一つ一つ埋めてゆきます。まさしく修行!!どんどんいきます。 ヘンなビス穴も全て埋めました。が・・・・縁はモコモコと盛り上がっています。丁度、リアパネルとの継ぎ目なので殆どの車両はこうなります。 こうなるんです・・・・・・・ 腐食部分を切除。友人にもらったテンロクの防錆鋼板でパッチを作り、突合せです。下地は錆の有無にかかわらず錆置換剤でコートしてからプライマーを入れてます。錆置換剤だけで使うと効果はイマイチですが、こういう補助的な使い方は微細な錆が残りがちな元酸化鉄には結構効きます。 刷毛で塗ったりせずに、ウェスに染み込ませて雑巾がけの要領で拭きます。 部分的には新車ですね・・・・。この後、若干面を調整して合わせ目にシーラーを入れれば荷台はおしまいです。 リアゲートの固定ボルトですが、4本中3本が折れました。こういった時、まずは悲劇を堪能し、何とか緩める方策を練るわけですが・・・・ドリルで揉んだり、エキストラクターを折ってしまわないかドキドキしながらセンターにポンチを打って・・・・・・・みたいな事はせず、先ずは炙りましょう。 家庭用バーナーで十分です。 こちらは純正ロールバーの付け根ですが、上からスピーカーが乗っかっていた関係で保水してしまい、貫通。ここは表面だけ処理しても、裏に補強がありますので無駄です。よって補強板は撤去!純正ロールバーを使う予定は無いので無問題です。 ブラストして錆除去後、ここはFRPで埋めました。本当はメタルでいきたかったのですが位置が入り組んでいて私の技術では無理と判断。時には退く勇気も必要ということで・・・(FRP補修についてはオーナー了承済み) 床面は自身の愛機にも使っているベッドライナーで処理。荷台を荷台として使うオーナーなので、錆は取りましたが凹みは出せるところだけ出す程度にとどめています。 運転席、助手席の床面。全体的に錆びて小穴が開いていますが程度は上々(?)。 全体的にブラストして小穴と腐食で薄くなった部分はグラスファイバーで補強。折角リブも残っているのに前面張替えは勿体無い。こちらはPORとベッドライナーで二重に防食してあるので、滑りにくく踵が当たる部分も剥げ難いです。 運転席も同様に処理。水抜き穴は後に成型します。 床面が完了して、適当なボディパネルを装着して少し移動しました。動く姿を見たご近所さんは「これ、動くの!?!?!?」状態でしたが・・・・・動くだけでなく綺麗になっちゃいますからっ! つづく・・・・・・・ |