ボディ補修〜フェンダー編〜
 SJ10やSJ20では必ずと言って良いほど腐食するのが、フェンダーミラーの付け根。この箇所は外部から錆びるのではなく内部からジクジクと侵食してくる厄介なもので、幾度と無く補修を行っても再発する頻度が非常に高い。よって今回は以前に補修したこの箇所をオペ致す!

●左フェンダー
 
 ここはミラー取り付けの為に設けられた裏側の補強板とパネルの間にシーリングが全く施されていない為、タイヤが巻き上げた泥や水が浸入して強烈に腐食する箇所。実は以前にサビを取り、POR-15で防錆した箇所ですが、8年の時を経て症状が再発。左画像で三角形で残っているのは錆びで盛り上げられて割れたパテ。パテを剥がすとご覧の通りの有様です。
 この再発の原因は、中途半端な補修と、放置していたパテ割れによるもの。除去されていなかったサビがパテを割り、上下から水分が浸入した事が原因です。塗膜の盛り上がりを発見したら即、処置をすべきですね(こうなる前に)。

 
 補修は、穴を中心にするのではなく全面的に行います。頑丈な作りの補強板は、パネルに裏からプライマー処理のままスポット溶接で留められており、シーリングは皆無。実際にパネルを全て切り取ると左画像のように猛烈なサビが出現します。薄っすらのこる白っぽい部分が、出荷時のプライマー。穴があった箇所に薄っすら残る黒いのが、PORです。ご覧の通り、穴や周辺だけを補修しても意味がありません。
 このサビはサビ取り剤RS-R1000で徹底的に除去し、念のためサビ変換剤で追加処理しました。RS-Rは入念に水洗いする必要があります。このように完全に切開した場合は水洗いをしても良いですが、薬剤が残る可能性がある箇所には使用を控えるのが賢明です。

 
 本来は防錆鋼板を溶接するのが普通ですが、所有しているアーク機と管理人の性能が追いつきません。そのままパテを盛っても厚くなるだけであり、おまけに補強版は接合箇所の大半を失っている為、明らかに強度不足です。
 そこで補強板を板金してパネルの表面にツライチとなるようにして、金属接着剤で接着しました。よって今後は補強板の表面がボディパネルとなります。接着剤はシーリングの役割も果たし、水分の浸入も防止するという目論見です。この上からファイバーパテ、ポリパテ、ラッカーパテの順で盛り、整形します。

 
 ついでに斜面に擦り付けて変形、塗装にクラックが入りサビが出ているフェンダーの裾も補修します。管理人のSJ20は至るところにこういった傷、凹み。サビがあり、参ります。

 
 さらについでに、使うことの無いフックをシェイヴします。窓を倒したときに窓枠を固定する為のものですが、ボンネットがFRPなので不要です。少し見えているサビも除去して表面処理を施しました。

 
 上記の作業よって補強とパネルの接合部が開放されて、パネルが歪みますので注意。細かい傷や錆を補修しつつ、全体の面を出します。と言っても、元々面が出ていなかった上に管理人の腕がイマイチとあって、面など出ていませんが、できるだけ頑張ります。
 ある程度で自分を納得させて、サフェーサーを吹きます。本来は色々な隙間にシーラーを入れますが、今後の補修の都合のため、今は入れません。上面はイマイチですが、Rの部分だけでも綺麗な面を出すと見た目が良くなります。

 
 フェンダーの裾のクラックとサビ。綺麗になりました。

 
 窓枠固定用のフックとサビ。綺麗になりました。

 
 一番問題のミラー付け根。こちらも綺麗になりました。ミラー取り付け穴はタップを立てなおして処理しています。ミラーの取り付けにも強度十分です。念のため、裏からもシーラーを入れておきます。


 ボンネットフックの穴もスムージング。フロントパネルとの隙間にシーラーが入っていないのは、この後分解する予定があるということです。

※この作業は、仕事の手が空いた時間を使い、1回の作業20分程度で10日ほどかかりました。総計約200分ですが、中々落ち着いて作業できました。

●右フェンダー
 
 振り返れば反対側も同じようなものです。フタ(パテ)を開けるとやはり補強が猛烈に錆びています。

 
 左フェンダーと同様の工法で修理しました。勿論、フックもシェイヴです。

 
 もっとスキルアップしたいと強く感じますが、現状ではこれが限界・・・。ひとまず両フェンダーの修理は完了です。