●車検対応マフラーを作る
うちのエイトはNox、PM法適合車なので三元触媒が装着されていないといけないのですが、以前に作ったものは間に合わせの適当なものでした。腹下にも出っ張っていて斜めです。これは不細工なので新しく作り直すことにしました。
前作はエスクードTA01の触媒でしたが、今回はコンパクトな高年式のキャリィDA62のものです。こちらはパイプ径が丁度良く、エイトよりも一回り太いのでベースには最適です。上に置いてある純正は何度も地表に打ち付けてクロカンで邪魔にならない形に自然板金されていますね・・。これをバラバラに切断し、ガレージに転がっている端材と合わせて各ピースを製作してから入念に位置決めしました(右画像)。クロスメンバーとの干渉をギリギリ避ける形で、右画像の位置に収まりました。多少出っ張りますが、ここは我慢します。
例のごとく家庭用100Vアーク溶接機で溶接していき、完成です。まだまだ下手糞ですが、蹴っても振っても外れない強度は何とか出せました。位置決めや部材作りに時間をかけたので、以前のものとは比べ物にならないくらいマトモになりました。キャリィ用をベースで楽に作るはずだったのですが、結局殆ど全部作り直しになってしまいました。非常にコンパクトな触媒です。触媒はかなりの高熱になりますので、例えば(避けるべきですが)草地などで長時間アイドリングしていたとしたら車両火災の危険性も懸念されます。よって遮熱板は必ず必要です。
右は8manoマフラーMk1。最低です・・・・。クロスメンバーを逃げてストレートにしましたが、エイトの腹下で唯一出っ張っているのがフロントパイプ。本来ならば曲げ材でクロスメンバーだけを避けるようにすれば腹下は完全にフラットになります。斜め下からなので出っ張って見えますが、とりあえず純正と同等・・・と自分を納得させ・・・。
因みにこちらは自作のリアマフラー。葉巻型のサイレンサーと解体屋にあったパイプで組み立ててあります。リアエンドはボディ内で終了し、下向きにターンアウトさせて地面との干渉と排気ガスの巻き込みを抑えています。
●触媒考察
さて、今回の改修(実際には前回車検時から)で触媒という「排気抵抗」が装着されたわけですが、以前よりパワーダウンしたという印象は感じません。音は静かになり、排ガスの匂いも目がチカチカしなくなりました。車検場の排ガス検査も、触媒レス時代は通過できない事がありましたがスンナリ通ってしまいます。トータルチューニングを施したキンキンのレース車でもない限り、特にタービン直後に触媒を配置する訳でもないNAの古式なエンジンで触媒レスにする事により得られる「パワーアップ」などは微細なもののようです。アフターパーツメーカーが大きなセルを装着して抵抗を減らしたメタル触媒などをラインナップしているのを見てもわかる通り、現代社会を生きる自動車にとって触媒は非常に重要なデバイスであるといえますね。
この三元触媒、以前にも書きましたがNOx・HC・COの三種類の有害物質をRd・Rh・Ptなどの貴金属のセルと反応させることにより、理想空燃比付近でN2O・H2O・CO2に酸化還元するという装置。当然、セルはミクロ単位の汚れや度重なる化学反応により劣化しますので、排気の抵抗としては大きくなります。そのような触媒においては、新しい触媒に交換するだけでも十分に体感できるパワーアップ(というより適正化)となるはず。案外、触媒撤去で劇的な体感パワーアップを果たしたというのは、この辺りも関連しているのではないかと思います。