●第13壊 ブレーキOHとドラム交換 05年05月26日
 
 錆と戦い続けている当コーナーだが、ボディ補修はソコソコにしてEgを搭載し車検を取得する方向で作業を進めます。というのも、このまま錆とのイタチゴッコを続けていては埒が明かない。妹の通勤快速として先ず実動状態にもっていくことにしたのだ。ひとまず車体周りの部品はストックがあるので作業が滞る事がないのが救い。手始めにリアブレーキのOHにとりかかる事にしました。
 ブレーキはとりあえず固着等の問題はなく、マスター側からの漏れもない様子。しかし確実に抜けているので不具合を抱えている事は予想していた。実際にドラムを開けてみると予想通り運転席側のホイールシリンダーが完全に死亡しています。

 
 結晶化したブレーキフルードが印象的。外した部品類はまるでゴミ。これらを一つ一つ再生して組み上げる事になります。ブレーキOHについてはメンテナンスページにて既に掲載済みなので、こちらでは割愛。撮影が無いので作業は2時間程度で終わりです。

 
 カップ、ブーツはストックしておいたナブコ/ニッシン用のカップキットを使用してOH。フルード漬けになっていたシューは、磨耗もあったのでストックの中古品に交換。同じくフルード漬けで錆だらけのライニングは洗浄液にドブ漬けしてワイヤーブラシで清掃、脱脂して組み付けました。

続いてフロントもOHしておきます。

  

 
 これといった異常は見られませんが、年数を経たゴム部品は全く信用できないので全交換します。シリンダー、ピストンは少々腐食していたので研磨を施しました。幸運な事にシューはほぼ新品でした。一度OHを受けているようです。
 ここをバラすには36mmという巨大なソケットが必要です。高価ですが頻繁にバラす向きは工具箱に入れておいたほうが良いでしょう。その36mmのクラウンナットは、毎回新品を用意するようにしています。このVは運転席側のクラウンナットだけが新しくなっていたので、いやな予感です。

 
 締め付け不良などでクラウンナットが緩んだ場合、このようになります。詳細はメンテナンスページに掲載しておきました。幸いドラムもストック品がありますので、交換して事なきを得ました。

 こちらはディストリビューターとメーターASSYです。Eg搭載に向けて細々した部品を再生してゆきます。
 
 ディストリビューターに関してはメンテナンスページに掲載しています。メーターはエアブローしてスピードメーターの文字盤を塗装仕上げ用の微粒子コンパウンドで研磨(これだとインレタが消えませんので安心です)、プラスティックのコンビメーター部はナノハードでコーティングして新品のように蘇りました。割れていたガラスはストック品を磨いて交換。埃や水分が入らないようにシーラーを入れて組み立てました。常に目にする箇所ですから、一度やってみては如何でしょう。


 ラジエーターのシュラウド、ステアリングロッドやヘッドライトケース等はPOR-15で防錆しておきました。いよいよEgの搭載が迫ってきました!

今回の出費 0円 ここまでの費用 113466円


●第14壊 エンジン搭載 05年05月29日
 早速、エンジン搭載の準備を進めます。私の手元にはF10Aか壊れたF8Aしかありませんので、今回はハイロンサム氏から引き取ってきたF8Aを載せます。この固体はは元々、氏が最初に乗っていたSJ20のものでF10Aに換装された後、永い眠りについていたもので素性は確かなものです。F10A側にオイルパンが移植されていますので、このまま搭載するとデフケースと干渉してしまいますので、F8A用の部品を移植します。
 
 オイルパン自体はボルトオンですが、ストレーナーも同時に交換する必要があります。上がF10A、下がF8Aです。腰下を焼きつかせたエンジンのもので、ストレーナーのOリングが熱で劣化しており、パイプ内を清掃してOリングも交換しておきました。

 
 元々、補機類が全くついていないエンジンですので、オイルパン移植、ストレーナー清掃、スタッドボルト交換、清掃、インテークマニホールドの装着を経てエンジンの準備が完了しました。マウントゴムは数個ストックしてあり、問題なかったのですが、何と足の部分が一個足りません。早速発注しますが、欠品です。ゴムはともかく、この部品が欠品とは油断していました。幸い、滋賀にストックされているFから剥ぎ取り、送ってもらいました。因みにマウントの向きはこれが正解です。これでエンジン側の準備はひとまず完了です。オイルパンの中も綺麗なエンジンです。

 
 車体側の準備です。レリーズベアリングを交換して準備しておいたトランスミッションを搭載します。マウントは両方とも千切れていましたので、新品に交換。左右両端が新品のマウントです。上側にズレていますが、この向きで装着するのが正しいです。こちらはまだ部品が出ますが、今のうちにストックしておいた方が良さそうです。かなりの確率で、損傷している車輌が多いです。

 
 クラッチセンターを出して、あとはサクサク積み込むだけです。元々ドンガラなのでとても楽です。黒塗装したエグゾーストマニホールドをSUSのナットで固定。OHしたディストリビューター、ストックのコイルなどの点火系も装着します。ハイテンションコードはジェスコのMEGA8が転がっていたのでつけてあげました。ヘッドカバーは後々ポリッシュしようと思います。

 
 エンジンが載って、浮いていたフロントの車高がグッと落ちました。こうして見ると重たい4気筒エンジンを高く、前に載せているのがよく解ります。バランス云々は置いておいて、この無理矢理作ったホットバージョン感がなんとも好きです。エンジンが載ってクルマらしくなってきました。
 同時にタペット調整、オイルの注入を済ませておきます。ヘッドもとても綺麗で程度の良さが伺えます。

今回の出費 各オイル、冷却水等 11104円  ここまでの費用 124570円


●第15壊 エンジン始動 05年06月03日
  
 エンジン始動に向けて準備を進めます。ディスビキャップのベンチレーションホース、グランドケーブル、オイルプレッシャースイッチを新品に交換して、ラヂエーターなどのネジ山全てにタップをかけて作業性を良くしておきます。どれも地味ですが、大切な作業ですね。
 ガソリンタンクもドレーンしますが、錆やゴミが出る事も無く、普通のガソリンが出てきましたのでとりあえずこの燃料で始動しようと思います。フィルターにも異物はありませんでした。

 
 ラヂエーターはストック品で内部の汚れが心配なので水を通して洗浄します。いくらかの錆が出てきましたが、中は比較的綺麗な様子です。車体に装着して冷却水を注入。漏れなど無くひと安心です。ラヂエーター、ヒーター共にホースは新品です。

 
 以前折れてしまった触媒つきのフロントパイプを補修して、錆だらけのリアマフラーと接続。次いでキャブレターはデフォルト状態にOHしたF10A標準の愛三製 E32Bを使用します。ガス検クリアの実績のあるコンビです。赤い配線はとリあえず始動用に適当に接続されていますが、ソレノイドバルブの作動に必要です。E32Bを使用する場合はこの配線を怠ると始動不可能です。


 Fからブースターケーブルでジャンプして始動させます。各シリンダーにはオイルを注し、燃料はポンプまで吸い上げてあります。ワイヤー類をまだ装着していないので、手で操作します(笑)。点火時期はディストリビューター装着時に合わせてありますので、Fのアイドリングを目一杯上げてイグニッションをONにすると何事も無かったように始動しました。とても静かなエンジン音です。今まで数機のF8Aの音を聞きましたが、本当に静かです。これにて「走る」「止まる」「曲がる」に関しては完全に復活しました。

 
 車検の取得に向けて、灯火類の準備です。ストックパーツの中から程度の良いものを選び、再生します。樹脂製のレンズは曇ってしまっていたのでコンパウンドで表面を研磨して透明度を上げます。ヘッドライトは小糸製のシールドビーム。

 
 ストップ/テールのユニットは昔のキャリィなどと同じ丸デザインですが、色々出てきました。一番左はダブル球以外にポジションが装備された、ちょっと珍しいタイプです。真ん中はコストダウンのためか、ポジションとリフレクターが廃されたもの。まだポジションのモールドが残っています。右がSJシリーズ本来のもので、リフレクターが復活して、ポジションの穴は無くなっています。リフレクター自体にはまだポジションの逃げが残ったままですから、使いまわしですね。
 バックアップランプは本来は小糸製作所製ですが、スタンレー製の物が転がっていました。軽トラックなどの汎用品のようですが、取り付け可能です。比べてみると小糸製の方がリフレクターも大きく、レンズの作りも良いのでPL通りこちらを使うことにします。レンズ類が装着されると、よりクルマらしくなりますね。楽しみです。

今回の出費 純正部品追加注文 9009円 電球等 2502円  ここまでの費用 136081円